うちの妹、まだ小学校低学年だった頃のことなんだけど、よく一人で部屋の隅っこで何か話していることが多かったんだ。最初は、ただの想像上の友達か何かだと思って、特に気にしてなかったんだ。でもある日、やけに楽しそうにしているのを見て、どんな子と話しているんだろうって気になってさ。それで「ねぇ、そのお友達って誰?」って聞いたんだ。 妹はにっこり笑って「レミちゃんっていうんだよ。いつもここに来て遊んでるの!」って言ったんだ。でもなんか、妹のその言い方に違和感を感じた。何か怖いことでもあったのかなと思ってさらに聞いてみた。「レミちゃんって、何して遊んでるの?」 妹は少し顔を曇らせて、「レミちゃん、あんまり外に出られないから、ここでしか遊べないんだって。でも、お兄ちゃんには内緒だって言ってたの、ごめんね」って。そんな言われ方されると、逆に気になっちゃってさ。 ある日、妹が昼寝している間に、妹の部屋をふと覗いてみたんだ。まあ、何もおかしなことはないだろうと思ってたんだけど、その瞬間、ゾッとしたんだ。部屋の隅の鏡に何か映ってたんだ。小さな女の子が笑ってこっちを見てる。間違いなく妹じゃない、これがレミちゃんか!って驚いた。もちろん、その場では鏡以外の部屋には誰もいなかったんだけど。 その晩、両親に話したんだ。でも、「ただの想像だよ、気にしないで」って。妹も普通に過ごしていたし、特に何事もなかったから、少しホッとしてた。 しかし、その安心も束の間、数日後の深夜に妹の部屋から何か音が聞こえた。行ってみると、妹がベッドで泣いていた。「どうしたんだ?」って聞くと、妹は震えながら「レミちゃんが消えちゃった…どこにも行けないって言って泣いてたんだ…でも、今日は違う…誰かが迎えに来るって…」って泣きじゃくってた。 その夜から、妹の部屋から妙な音が夜中になる度に聞こえるようになったんだ。誰かがドアの外で耳を澄ましてるみたいな音。ある晩、勇気を出してドアを開けた瞬間、何もない廊下でヒタヒタと足音だけが聞こえたんだ。 そして最後に、一番の恐怖が訪れた。ある朝、妹の部屋を開けると、妹がベッドに座ってるんだ。でも、その表情がいつもとは全然違う。目が虚ろで、体が少しだけ震えてる。怖くて「どうしたんだ?」って聞いたら、妹はぽつりと「レミちゃん、誰かに連れて行かれたよ。でも…お兄ちゃん、あの声がまだ聞こえるんだよ…」...