ブレイキンを始めたのは、純粋にダンスが好きだったから。だけど、ある日を境にその理由が少しずつ変わっていった。あの日、初めてのレッスンで彼と出会ったからだ。
「今日からこのクラスを担当する、タケルです。よろしく。」彼の笑顔はまるで太陽のようで、教室全体が明るくなった気がした。背が高くて、筋肉質な体つき、そしてキラキラと輝く目。瞬間的に、私は彼に引かれてしまった。
彼の指導は厳しくも愛情深いもので、毎回のレッスンが楽しみになった。彼の動きを真似しようと一生懸命頑張って、少しでも近づきたいと思った。
「ナオミ、もう少し腰を落としてみて。そう、それが大事だよ。」彼の声が耳に残り、体に響く。アドバイスを受けるたびに、彼の期待に応えたい気持ちが強くなった。
レッスンの後、彼が私に話しかけてきた。「ナオミ、今日のステップ、すごく良かったよ。練習の成果が出てるね。」
「ありがとうございます、タケル先生。でも、まだまだです。もっと上手くなりたいです。」顔が赤くなるのを感じながら、私は答えた。
「その意気だよ。頑張り続ければ、必ず結果が出るさ。俺も応援してるから。」彼の言葉は私にとって大きな励みだった。
そして、ある日のレッスン後、思い切って彼に話しかけてみた。「タケル先生、今度、一緒に練習しませんか?」
彼は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに微笑んで答えた。「もちろん、いいよ。いつがいい?」
その瞬間から、私たちの関係は少しずつ変わっていった。一緒に練習する時間が増えるにつれ、彼との距離が縮まっていくのを感じた。練習の合間に、彼の好きな音楽や、ダンスへの情熱について話すことも増えた。
「ナオミ、君は本当にダンスが好きなんだね。それが動きにも表れてるよ。」彼の言葉に、胸がドキドキした。
「はい、タケル先生のおかげです。先生が教えてくれるから、もっと頑張りたくなるんです。」思わず本音を漏らしてしまったが、彼は微笑んでくれた。
「ありがとう、ナオミ。でも、俺も君から学ぶことがたくさんあるよ。君の頑張りが俺にとっても刺激になるんだ。」
その瞬間、私たちの間に特別な絆が生まれたのを感じた。そして、彼に対する気持ちがただの憧れから、少しずつ恋へと変わっていった。
彼に対してどう感じているか、どう伝えるべきか、ずっと悩んでいた。でも、ある日、彼が私に言った。
「ナオミ、君には素晴らしい未来があると思うよ。自分を信じて、頑張り続けて。」
その言葉に勇気をもらい、私は決心した。「タケル先生、実は…私、先生のことが好きです。」
彼は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに穏やかに微笑んでくれた。「ナオミ、その気持ちは嬉しいよ。でも、今は君の夢を追いかけることが一番大事だよ。俺も君を応援し続けるから。」
彼の優しさに、私は涙がこぼれそうになった。でも、その言葉が私にとって何よりの励みだった。
それからも、私は彼と一緒に練習を続け、ダンスに打ち込んだ。彼への想いは変わらないけれど、今は自分の夢を追いかけることに全力を注いでいる。彼が教えてくれた大切なことを胸に、私は踊り続ける。
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