私は仕事に追われる毎日を送っていた。友人に勧められて、恋活アプリに登録したのも、何か変化が欲しかったからだ。
「はじめまして、リョウといいます。共通の趣味が多いみたいで、良かったらお話しませんか?」
彼からのメッセージを受け取ったとき、少し胸がときめいた。プロフィール写真の彼は優しそうな笑顔をしていた。
「はじめまして、アヤです。メッセージありがとうございます。趣味が合う人と話せるの、楽しみです。」
それから毎晩、リョウとメッセージを交換するようになった。映画や音楽、仕事のこと、夢…。話題は尽きることがなかった。
数日後、リョウから会うことを提案された。
「アヤさん、よかったら今度の土曜日、一緒にカフェでお茶しませんか?」
少し緊張しながらも、私はすぐに返信した。
「ぜひ、楽しみにしています。」
土曜日、カフェに到着すると、リョウが席に座っているのが見えた。彼は私に気づき、笑顔で手を振った。
「こんにちは、アヤさん。来てくれてありがとう。」
「こんにちは、リョウさん。こちらこそ、お誘いありがとうございます。」
リョウは本当に優しくて、気が付くと私はリラックスしていた。会話は自然に弾み、楽しい時間はあっという間に過ぎた。
その後も何度かデートを重ねた。ある日のデートの帰り道、リョウが真剣な顔で言った。
「アヤさん、今まで何度もデートをしてきて、君のことが本当に好きになりました。これからも一緒にいろんなことを経験していきたいです。僕と付き合ってください。」
胸がドキドキした。彼の真剣な眼差しに、私も本気の気持ちを伝えたくなった。
「リョウさん、私も同じ気持ちです。よろしくお願いします。」
それから私たちは恋人同士になった。リョウの優しさと誠実さに触れるたび、私は幸せを感じていた。
しかし、ある日、リョウの家で夕食を取っているとき、彼のスマートフォンにメッセージが届いた。ふと見てしまったその画面に、私は凍りついた。
「リョウ、アヤとの関係、そろそろ終わりにしない?」
そのメッセージは別の女性からだった。私は信じられなかった。
「リョウ、これ、どういうこと?」
彼は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに冷静な表情に戻った。
「アヤ、君に話さなければならないことがあるんだ。」
リョウは私に、彼が複数の女性と同時に付き合っていたことを告白した。
「最初は本気じゃなかったんだ。でも、君と一緒にいるうちに、君のことが本当に好きになった。でも、他の関係も簡単には終わらせられないんだ。」
私はショックで何も言えなかった。涙が頬を伝った。
「もう、信じられない。さようなら、リョウ。」
私はその場を去り、二度とリョウと連絡を取ることはなかった。恋活アプリでの出会いが、こんなにも衝撃的な結末を迎えるとは思ってもみなかった。
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